「クラブを知り、リーグを知り、ロッカールームを知る」チルウェル復帰に見る、パレスの現在地
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「クラブを知り、リーグを知り、ロッカールームを知っていた」
We chose to take him because he knew the club, he knew the league, and he knew our dressing room.
(動画からの引用・訳 / )
Pre-match Press Conference | Ipswich (H)
出典: Crystal Palace FC / YouTubeで見る
クリスタル・パレスは9月12日(土)、セルハースト・パークでイプスウィッチタウンと対戦する。
試合前の会見で記者は、イプスウィッチについて「パレスと一部似た特徴を持っている」と表現していた。
ポゼッションを握られがちという点で似ているが、
今季ここまでの成績を並べてみると、似ているという言葉では少し足りない。
クリスタルパレスは3試合を終えて1勝0分2敗、勝点3。4得点8失点。
イプスウィッチも1勝0分2敗、勝点3。こちらも4得点8失点。
勝敗も、勝点も、得失点も同じ。順位表でも両者は同じ13位に並んでいる。
・クリスタルパレス 対 イプスウィッチ
9月12日(土)23時 セルハースト・パーク
クリスタルパレス(13位・勝点3)
今季 3試合1勝0分2敗・4得点8失点
第1節 アウェイでエバートンに0-2●(8/22)
第2節 ホームでマンチェスターシティに1-4●(8/28)
第3節 アウェイでフラムに3-2○(9/5)★今季初勝利★
イプスウィッチ(13位・勝点3)
今季 3試合1勝0分2敗・4得点8失点
第1節 ホームでサンダーランドに2-1○(8/22)
第2節 アウェイでマンチェスターユナイテッドに2-5●(8/30)
第3節 ホームでリヴァプールに0-2●(9/4)
★ホームでの勝利はどちらもまだ1つずつ★
パレスはホーム1試合(シティに1-4)
パレスはエバートンとの開幕戦を0-2で落とし、ホーム開幕戦ではマンチェスター・シティに1-4で敗れた。
それでも前節、アウェイでフラムを3-2で破り、リーグ戦初勝利を挙げた。
一方のイプスウィッチは、開幕戦でサンダーランドに2-1で勝利。
その後、マンチェスター・ユナイテッドに2-5、リヴァプールに0-2と連敗している。
まるで、同じスタートラインに立った2チームが、少し違う道を歩きながら同じ場所に戻ってきたような数字だ。
そして今回の会見を聞いていると、
サージュ監督がこの試合を単純なボールを持つか、持たれるかの勝負として見ていないことも分かる。
監督は「我々も走る。だが彼らは非常に速く走る。」と語っている。
試合を2日後に控えているにもかかわらず、出場可能なメンバーについてはまだ確定していなかった。
土曜日、そして火曜日と試合が続いたため、選手たちの疲労については翌日に改めて確認するという。
「現時点で確定したリストをお渡しすることはできません」
会見で聞けば短い一言だが、ここには連戦後のチームを預かる監督の現実がそのまま出ている。
勝ったから次も同じメンバーで行く。
そう簡単には決められない。
特にパレスは、まだシーズン序盤。
選手個々の状態を見ながらチームを作っている段階でもある。
前回の感想で出ていた「誰が20人に入るのか」という見どころも、
この時点ではまだ答えが出ていない。
https://kickoff-talk.com/articles/24
↑前回の試合後の感想
そんな中で、今回の会見で最も印象に残ったのがベンチルウェルについての話だった。
今夏、パレスに戻ってきたチルウェルについて、
サージュ監督が獲得理由として挙げたのは、プレーの能力だけではなかった。
むしろ最初に出てきたのは、もっとシンプルなものだった。
「クラブを知り、リーグを知り、ロッカールームを知っていた」
この言葉は、チルウェルの経歴を並べてみるとさらに面白い。
2024-25シーズンにはパレスでプレーし、昨季はフランスのストラスブールへ移籍。
そして今夏、再びパレスへ戻ってきた。
つまり監督が言う「クラブを知っている」は、単なる比喩ではない。
プレミアリーグを知っている。
パレスを知っている。
そして、パレスのロッカールームを知っている。
今季から新しくチームを作ろうとしている監督にとって、こうした経験を持つ選手がいることは大きいのだろう。
しかも、チルウェルについてプレー面の話が出てくるのは、その後の質問からだ。
サージュ監督自身、昨年対戦した際に彼のレベルに驚いたと話している。
つまり今回の復帰は、過去を知る人間を連れてきたというだけではない。
「知っていること」と「できること」の両方を見て獲得した選手なのだと思う。
そして、そのチルウェルは前節フラム戦で74分から途中出場し、77分に決勝点を決めた。
新加入選手の話ではなく、「戻ってきた選手」の話だからこそ、この流れには少し特別なものを感じる。
・チルウェル(29歳・33番・イングランド)
2023-24 チェルシー 13試合(先発9)
2024-25 クリスタルパレス 8試合(先発1)1得点
2025-26 ストラスブール 20試合(先発19)2アシスト
2026-27 クリスタルパレス 1試合(先発0)1得点
★今夏の加入は「復帰」★ 2024-25にもパレスにいた
★昨季はフランスのリーグ・アン★
★今季はまだ先発0★ フラム戦は74分から出て77分に決勝点
もう一人、会見で印象に残ったのがイスマイラサールだった。
昨季28試合で9得点を挙げた選手だが、今季はまだ出場記録がない。
現在はチームを離れており、来週月曜日からトップチームのトレーニングに戻る見込みだという。
ここでサージュ監督が語ったのが、数字ではなかった。
何試合出れば戻ってきたと言えるといった話でもない。
監督が見ていたのは、サールの表情だった。
「5日〜10日前に比べて表情も明るくなりました」
移籍をめぐる状況を経て、ようやく気持ちが落ち着いてきた。
その変化を、監督は顔つきから感じ取っている。
そして「15試合いいプレーをしてくれるなら、迷わずサインする」とまで話している。
昨季9得点の選手に対して、最初からシーズン通しての大きな数字を求めるのではなく、
まずは戻ってきたあとに15試合、良いプレーをしてくれればいい。
この考え方には、サージュ監督が選手を見るときの姿勢が少し表れているように感じた。
完璧な状態を待つのではなく、その時点でできることを見ながらチームを前に進める。
今回の会見全体を通しても、監督は「高い要求」と「今できること」のバランスを何度も意識していた。
・サール(28歳・7番・セネガル)
昨季 28試合(先発24)9得点1アシスト ★チームの得点源★
今季 出場の記録なし
会見 来週の月曜にトップチームの練習に戻れる見込み(56秒)
そして最後に、ホームでのプレミアリーグ初勝利について聞かれた。
パレスは今季、ホームではマンチェスターシティに1-4で敗れた一試合しか戦っていない。
だからこそ、次のイプスウィッチ戦はホーム初勝利を狙う最初の機会になる。
ただ、この質問に対する監督の答えは、10分近い会見の中でも驚くほど短かった。
「良い機会になりますね。土曜日を心待ちにしています」
チルウェルについては長く語った。
サールについても、チームの状態についても話した。
それでもホーム初勝利については、余計なことを言わない。
あとは土曜日にピッチで確かめるだけ。
今回の試合で個人的に注目したいのは、そんなチルウェルがホームで初めて先発するのかどうかだ。
今季はまだ先発0。
それでも前節は途中出場から決勝点を決め、
監督からはクラブ、リーグ、ロッカールームを知る選手として大きな信頼を寄せられている。
成績がまったく同じ13位のイプスウィッチを相手に、パレスはホーム初勝利を手にできるのか。
そして、戻ってきたチルウェルは、もう一度セルハースト・パークで存在感を示すのか。
土曜日は、そのあたりを楽しみに見てみたい。